土佐和紙御朱印帳について
伝統技術
日本で対応可能な製本所も指の数で足りるほどに減った和装本。素人の作る粗悪なものと違い、プロが美しく正確に、素早く作り上げる事。そんな当たり前が当たり前である事がすごく難しい時代になってきました。
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和綴じ製本
日本で製本業を営む製本屋は全国で約1500社、500社近い製本所がここ20年の間に廃業をしています。また、今般の出版不況、官公庁の予算削減、大手印刷会社の製本部門内製化、後継者不足の波の中でさらに減少傾向となっており、それに比例して、ただでさえ少ない和本のノウハウを継承している希な製本屋も減り続けているのが実情です。
本身を袋とじにし、喉を背固め、角切れをつけ、表紙を巻き、穴を開けて紐で縫う。複雑な工程が多岐にわたって存在しております。また、紙や糊に対する深い知識も必要とされ、湿度や温度も勘案し、糊の種類も換えながら最適な生産を行う事、縫いだけがクローズアップされやすいですが、実はそこにいたるまでの工程のほうが製本としては非常に重要であり、美しく仕上げるための細かいノウハウの宝庫だったりします。
一口に和綴じと言っても様々な縫い方があり、その起源は江戸時代まで遡ります。一番一般的に知られているのが4つの穴に糸を通していく四つ目綴じ、角を補強するために角を2重に縫う高貴綴じ、縫った後の紐の形が亀の甲羅に似ていることから名づけられた亀甲綴じ、紐の形が麻の葉脈に似ていることからなづけられた麻の葉綴じ等です。
和本は縫いだけなら簡単に出来るため、仕上がりの見た目、美しさを重視しないのであれば自分で縫うことも可能です。通常の製本は機械を通さないとなかなか難しくハードルが高いのですが、そういった点は和綴じ本のメリットと言えるでしょう。 -
折本(蛇腹本)
唐に渡り日本に密教を広めた弘法大師空海、全国的にも彼が広めた四国八十八箇所お遍路は有名で、毎年30万人近いお遍路さんが四国を訪れています。空海が唐から日本に普及させたのが巻物とされ、それをもっと手軽に見ることの出来る形体に改良されたのが折り本と言われています。巻物では、中身の一部だけをちょっと参照したいという時等も全部広げて見なくてはいけないため、使い勝手が悪かったそうです。
折本(蛇腹本)はパラパラと開いて使用することが出来、造り方によって構造は異なります。紙を合わせたものや、ペラ紙で作成したものなど、興味があれば注意深く見てみるとその構造がわかるでしょう。和綴じ製本よりも対応可能な業者が更に少なく、蛇腹の中でも御朱印帳で一般的に採用されている貼り合わせの折本をきっちりと作り上げるノウハウを持った人間は、需要の減少とともにすでに日本全国でも数人にまで減少しているそうです。
こうやって作られます。
和紙の加工は基本的にはどこの工場でもあまり好まれません。洋紙に比べて扱いが難しく、生産性も低くなり、仕上がりの美しさにもノウハウが必要だったりと手間暇かかるのが特徴だからです。そんな和紙をまずは断裁機で断裁して折ります。(ここで綺麗に折れるかどうかで後々の品質に差が出てきます。)
Flow1
- 当社では信頼度の高いドイツスタール社の折機を導入しており、高い生産性と安定した品質を保っています。
蛇腹用の斤量が厚い紙(厚みのある紙の事)はこのような折り機で折れますが、当社が和綴じ式に採用している土佐和紙のようなものは機械ではなかなか難しかったりもします。
(印刷機や折り機はエアーで紙を捌くのが基本ですが、薄くてうまくエアーで捌けないですからです。)そういった場合は手作業で折り込み、間に特殊紙を挟み込む「中入れ」という作業を同時に行っています。ちょっと裏話
昔は折り子さんと言って人が人が手作業で紙を折っていたりもしていたんですよ~。
Flow2
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折った紙を締め機で締め、紙の膨れをなくします。
本の小口をピシッとそろえる為に必須の工程です、簡単に見えますが意外に難易度が高く、糸がかり製本などは下手な人間がやると糸が切れたり、締めている本が圧力に負けてぶっ飛んでいき怪我をしたりします。
「締め機がないと製本屋ではない」といわれるぐらいに基本的な機械ですが、上製本の製作所で大型機械のライン生産化が進み、最近では「いっそ上製本作らない。」「締め機はもう必要ない」と考え持ってない製本屋も多いと聞きます。
POINT 1当社では機会に過度に頼らない小ロット対応可能な上製本のノウハウ(職人技術)を保有しているため、小ロットからの限定生産が可能となっています。
Flow3
- 中身の素材の下処理が終わったら手作業で丁合いして糊付け、化粧切りをして仕上げます。断裁機もドイツのポーラー社の断裁機を使用しており、高い信頼度を誇ります。(小さな断裁機しか持ってない近所の印刷会社さんは四六判などの全紙が機械に入らないため、当社に断裁を借りに来たりもします。そんな際はちょっと貸す代わりと言ってはなんですが、コーヒーを奢ってもらいます♪)
Flow4
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表紙は友禅(和紙)や金襴、綿、絹など様々な素材で作ることが可能です。ただ、市販の生地はそのままでは本の表紙になりません、裏打ち処理というのが必要になってきます。糊が生地の表にはみ出さないよう、また作業工程の簡素化のために必須の処理ですが、通常は機械で行うため、ある程度のロット数が必要になってきます。
POINT 2当社が多種多様な御朱印帳の小ロット生産ができるのは職人の手刷毛で裏打ちができるノウハウがあるから。(これ、意外に製本屋で対応しているところは少ないんですね。)なので小ロットから5冊、10冊限定生産!のような商品の作成も可能になってくるのです。
Flow5
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表紙のクロス(金、金襴など)をボール紙に巻き付け表紙を作成します。また、金箔等の加工を行う場合は箔押し機を使い、金や銀などの装飾を施します。2トン近くの圧力がかかるため非常に危険な機械となり、常に緊張感を感じながら作業をしています。指を間違って入れてしまったら簡単に潰れてしまいます。当社の社長の知り合いで、大阪には指が四本なくなった方もいます。
Flow6
- 別工程で作業した表紙と中身の和紙を最終的にドッキング。蛇腹御朱印帳の完成です。和綴じの場合はここからさらに穴をあけ、紐で縫うという作業があるため、さらに手間のかかる工程となります。このようにさまざまな工程を経て、本がお客様のもとへ出荷されています。
かわいいわが子のような御朱印帳、お客様のもとで可愛がっていただければ職人冥利に尽きるというものです。
作っています。
お客様の声
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お客様の声 // 01(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
先日は素敵なご朱印帳をありがとうございました。
またまた京都に行くことがあったので早速使用してみました。
使いやすくしっかりしているし、
出したご朱印受付所すべてで素敵な御朱印帳ですね、きれいですねと褒められ
とても嬉しく思いました。
先日頼んだものは限定10冊の物でしたが
今後も同じ仕様で柄違い、というものがあればぜひまた購入したいと思います。
(作りは同じで柄だけなくなり次第どんどん変わっていく、というような…)
大きくて、たくさんのご朱印を頂けるご朱印帳はなかなかありません。
他に比べて多少値が張っても素敵なものならこれからもずっと使い続けたいです。
初めてのご朱印帳を高知製本さんの所にして本当によかったです。
どうもありがとうございました。
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お客様の声 // 02(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
昨日、無事に受け取らせていただきました。
土佐和紙とはすごく良い紙なのですね。
ページを繰るときの手触りや音がすごく滑らかです。
第一社目で御朱印を頂くときが緊張しますが、楽しみです。
新しい御朱印帳の企画、楽しみにしております。
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お客様の声 // 03(折本型の土佐和紙蛇腹御朱印帳をご購入されたお客様)
なるほど、たしかになめらかで墨ののりも良さそうな紙です。せっかくなので御朱印をもらう神社を選んで使用してみたいと思います。ありがとうございました。
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お客様の声 // 04(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
本日、無事に届きました。お世話になりました。
仕上がりは大変気に入っております。
百を超える札所の霊場に使用する都合上、 100頁オーバーの納経帳の存在は、とても貴重で助かります。
また、注文時には直接確認できなかった土佐和紙の紙質も、 たいへん素晴らしく、期待以上の商品でした。
高知製本様の丁寧な仕事ぶりに家族も大変満足しております。
佐賀錦調大菊の御朱印帳も検討いたしております。
その他の限定朱印帳も、どれもマニアックな程の仕立てで、 納経帳自体をコレクションとして収集したくなるほどの出来栄えだと思っております。
ブログも楽しく拝見させていただいております。
今後も世相や風潮に媚びることなく、独自の視点とアイデアで、 製本マニアの願望を満たしていただきたいと思っております。
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お客様の声 // 05(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
かなり豪華な仕上がりと限定商品に弱い私はヤラれてしまい購入しました。表紙の金襴の菊はかなり遠目からでもわかるぐらい大きくて存在感があります。
土佐和紙は軽くて、良い紙を使っているなあという印象です。先週、某神社へとご朱印をもらいに行った際、「綺麗な朱印帳をお持ちですねえ」と言われて喜んでしまいました。110ページというページ数も圧巻です、しばらくこの朱印帳と一緒に神社めぐりにハマりそうです。
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お客様の声 // 06(オーダーメイドを発注されたお客様)
御朱印帳のオーダーメイドってなるとなかなか受け入れてもらえず、いろんなところに問い合わせても断られ、高知製本さんが作ってもらえなかったらもう諦めようと思ってました。紙の事、生地の事など細かく打ち合わせして頂き、非常に満足のいく御朱印帳となりました。御面倒をおかけしましたが、またお願したいと考えております。今回はわざわざ作成頂きありがとうございました。
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お客様の声 // 07(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
土曜日、さっそく「佐賀錦調大菊」を持って近所の○○神社に行ってきました。
神職の方が表紙を見て「すごいですね」と驚かれてました。
自分では土佐和紙の良さに驚きました。墨の滲みと擦れの調和が大変良く、美しく書いていただけたと思います。
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お客様の声 // 08現在、品切れになっておりますが、再販することはありますか?いずれ奈良や京都の神社帳としても購入したいと思います。
(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
ありがとうございます。商品受け取りました、変更等々で大変お手数をかけました。
私の財政状態(小遣い)からして、高額で購入に若干躊躇しましたが、 商品を見て『買って良かった』。
さらに、貴社の在庫がゼロだったんですね。
私が、最後の1冊?
『大ラッキー』でした。
また、機会があれば、お世話になりたいと思っています。
Yahoo!ショッピングへも『評価』入れておきます。
重ねて。感謝です。
末尾ながら、貴社が益々、発展活躍されますように。
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お客様の声 // 09(和綴じ型の御朱印帳をご購入されたお客様)
納経帳自体は、当然ながら「御朱印を頂くための帳面」ではありますが、 この納経帳の仕立て・デザインや制作過程の一環も含めて、これ自体が立派な作品だと思っております。
こういった国産手工芸品は、もっと注目されましても良いかと思っております。貴社の納経帳はどれも、このクオリティでこのお値段は充分納得できる出来栄えだと考えております。
高知製本様は、ニッチでマニアックなユーザーのご期待に応えて頂ける、骨のある気概を感じずにはいられません。どうかこれからも、「御朱印帳業界のアウトサイダー」として、商品と企画力に自信と信念を貫き通して、御朱印マニアの隠れたアジトとして、 いつまでも良い「作品」を送り出してください。
今後も新作の発表を楽しみにしております。
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お客様の声 // 10今まで購入させていたただきました納経帳は、どれも大切に使用しております。各地の札所を巡っておりましても、納経帳の装丁と土佐和紙の紙質に目が止まるご住職もおられ、巡礼者冥利に尽きます。
(和綴じの帳面は朱印帳と呼ぶより、納経帳といったほうが、四国の人間にはしっくりきますね)
およそ国内で、高知製本様の納経帳を上回る代物はお目にかかりません。宮内庁御用達になってもおかしくないぐらい、"良い仕事"をされておられると思います。まさに、「所有する喜び=プライスレス」といったところです。
話はズレますが、天皇陛下に献上された、『昭和天皇実録』も、和綴じでしたね。
シンプルな装丁のようですが、日本文化の素晴らしさを見たような気がします。
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お客様の声 // 11素敵な商品をありがとうございます!
早速使用しましたところ!社務所の方に喜ばれました(^^)/
すごいねえ~って何度も言われてすごくうれしかったです!
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お客様の声 // 12最高です。途中で面倒な変更を御願いしましたが、迅速に対応してもらいました。発送も早かった。商品も値段相応した立派な朱印帳です。装丁が、また、立派。使うのをためらう位です。朱印に使う訳ではありませんが、有益に使います。
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お客様の声 // 13先日、ネットで検索していたら、たまたま高知製本さんのご朱印帳を見つけました。中でも銀の龍の柄の和綴じのご朱印帳に一目惚れ!早速、注文し、本日、無事に届きました。
早速開封し見たところ、表紙の銀龍がダイナミックさに圧倒されました。ただ、龍の顔の一部に表題の紙がかかってしまったのが、ちょっと残念ですが、これも手作りならではのことだと思います。長年の伝統を積み重ねてきた土佐和紙とあって、紙質も最高です。
一見、普通のものより値段は高いと思いますが、手作りで本物の一級品 を手に入れることを考えればまずまずの値段だと思います。
これからも愛用させていただきます。手作りや国産品にこだわって一級品を作り続けることは何かと大変だと思いますが、今後の貴社のますますの発展を願っています。
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お客様の声 // 14先日、ネットで検索していたら、たまたま高知製本さんのご朱印帳を見つけました。中でも銀の龍の柄の和綴じのご朱印帳に一目惚れ!早速、注文し、本日、無事に届きました。
早速開封し見たところ、表紙の銀龍がダイナミックさに圧倒されました。ただ、龍の顔の一部に表題の紙がかかってしまったのが、ちょっと残念ですが、これも手作りならではのことだと思います。長年の伝統を積み重ねてきた土佐和紙とあって、紙質も最高です。
一見、普通のものより値段は高いと思いますが、手作りで本物の一級品 を手に入れることを考えればまずまずの値段だと思います。
これからも愛用させていただきます。手作りや国産品にこだわって一級品を作り続けることは何かと大変だと思いますが、今後の貴社のますますの発展を願っています。
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お客様の声 // 15注文していた御朱印帳が今届きました。
想像を絶する美しさに袋を開けた時は
感動しました。
ありがとうございました。
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お客様の声 // 16御朱印帳 想像していた通り、表紙布・紙質・製本仕事・梱包 等、どれを取っても とても丁寧な仕事ぶりで、個々の卓越した職人技に やはり超一流品だなぁ~と、感嘆致しました。
末永く 大切にさせて頂きます。誠に 有難うございました。
とても 惚れ惚れする位 素晴らしく、神々しさすら感じました。
本当に、本当に、本当に… 素晴らしい!素晴らしい!高尚な風格です。
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お客様の声 // 17注文していた御朱印帳が今届きました。
想像を絶する美しさに袋を開けた時は
感動しました。
ありがとうございました。
御朱印帳に関して
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国産材料と国内生産に徹底的に拘る
高知製本の
御朱印帳について
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材料のこだわり
高知県、清流仁淀川のふもとに、日本三大和紙のひとつ「土佐和紙」を作り上げる匠の集落がある。和紙はその材料がどれだけ美しいか、また、どれだけ手間をかけるかによって仕上がりが大きく変わる非常に繊細な生き物です。当社ではそんな素材にこだわった土佐和紙をできるだけ採用し、製品化しています。素材の生産工程から最終製本に至るまで徹底的に国産品、国内生産でこだわり、質の高い商品をご提供するよう心がけております。
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製本職人匠の技術
創業50年の実績を誇り、多種多様な製本技術を未だ有する製本所は日本にも少なくなってきました。機械による廉価で大量に仕上げる製本が主流になってきている中、和装本、折本、和綴じ本等の職人のさじ加減ひとつで品質が決まる、高度な製本技術を未だ受け継ぎ保有している製本所は、日本でも我が社を含め残り数社にまで減少しています。
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企画力はオンリーワン
「どこのメーカーも作れないニッチな、いや激ニッチな製品を企画しよう。」を合言葉に、「今までにない」「あったら便利なのに」というような御朱印帳を企画、開発しています。時には突拍子もない思いつきを社内へ提案。検討し、本気でぶつかり合い、生き残ったアイデアが至高の商品となります。
時代・世相・風潮に媚びない、独自の企画力とオンリーワン商品をお客様に。
御朱印帳。我が四国では納経帳と言ったほうが一般的に通じる言葉です。納経帳の装丁や中身はある程度規格化されており、そこからはみ出した商品は実になかなか生まれにくいという背景もあります。当社では、完全国産品の材料に拘りつつ、在庫リスクを軽減できる工場直売のメリットを生かした多品種少量生産により、オンリーワンの御朱印帳を次々とリリースしています。
国産原料
「日本一の素材」は「日本一の大自然」から。
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土佐和紙
和紙は1000年保存が可能と言われ、実際に正倉院などでは1000年前に記録された和紙が何点も保存されています。そんな日本が誇る和紙ですが、その中でも日本3大和紙と言われ、今も圧倒的人気を誇るのが土佐和紙です。
コウゾを蒸して皮を剥ぎ、加工をして水に浸け、煮て流水にさらし、チリ取りをして叩解して和紙の原料を作ります、気の遠くなるような工程を繰り返した後、丈夫で軽く、しかも耐久性に優れた土佐和紙が生まれます。
時代の変化とともに、職人が手で漉く手すき和紙から機械漉きの和紙へと変化しています。かつては日本一の出荷量を誇り、「天下の紙所」と比喩される土佐の高知でも、手漉き和紙の職人は非常に少なくなってしまいました。
手漉き、機械漉き和紙ともに日本の伝統技術として、この先も継承できるよう当社でも商品へと採用し、土佐和紙を全国、いや世界に発信できればと考えております。 -
清流仁淀川
日本一の清流と言われる仁淀川。世界でも珍しい希少性の高い透明度と、仁淀ブルーと言われる多彩な青が織りなす「全国1級河川水質第一位」にも選ばれた奇跡の川。西日本最高峰の石鎚山から流れ出た水は、40メートル先まで見通せると言われており、河口に至るまでその輝きを失いません。
和紙を生むには様々な材料が必要ですが、もっとも大切なのは清らかな水です、水の質が良ければ良いほど素晴らしい和紙が生まれます。奇跡の川仁淀川の水はもちろん、そもそも奇跡を生み出す元となる山の湧き水を使用した土佐和紙は、まさしく日本一の和紙であると自信を持って断言いたします。
全国的な知名度としては高知の四万十川に及びませんが、仁淀川のふもとにはこの土佐和紙を生み出す匠の集落があり、1000年以上も前から和紙を作り続けています。ご近所さんの苗字が全て同じで、みんなが紙を漉いていたり。現在も残った和紙工場は昔ほどではないですが、歴史と伝統のある紙の町が仁淀川にはあります。
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日本古来の和綴じ製本
和綴じ本の起源は千年以上も遡ります。平安時代の初め、空海が唐から招来した「三十帖策子」が、現存する最古のものと言われており、これを発展させたのが大和綴じです。さらに江戸時代には江戸の製本職人の「粋」が加わり、様々な綴じ方が編み出され今日まで生き続けています。
代表的な四つ目綴じの他、康煕(こうき)綴じ、亀甲綴じ、麻の葉綴じなどです。そんな江戸から続く和綴じ製本も残念なことに西洋の製本に押され、いまや無くなりかけています。職人の経験、ノウハウに大きく左右される和装本は大量生産が難しいため、現代の消費する社会では生き続けていくことが難しい、それは時代の流れ上致し方ない事なのかもしれません。
そんな中、当社では伝統の製本を引き継いでいる者のはしくれとして、可能な限りは「日本の粋」としての和綴じ本や折本の制作を続けていければと考えております。 -
国産生地にこだわる
日本の神社・お寺を巡拝する際に御供となるのが御朱印帳や納経帳です。日本人として精神の根幹となる部分だからこそ、当社の御朱印帳は材料加工から、もちろん製本工程に至るまで全て完全国内生産にこだわっています。
表紙に採用する金襴生地も、全て日本の職人が緻密に折り上げた逸品となり、機織りの密の細かさや金糸の量などにもこだわりがあります。例えば申し訳ない程度に金糸を1本のみ入れて「金襴」と謳っているような粗悪品や、ロットかまして廉価に外国で大量生産した簡素なものとは、造り、クウォリティー共に全く次元が異なるものなのです。
ものづくりにこだわる日本の生地職人が作る、繊細できめ細やかな上質の生地。複雑な金襴を縫える職人も需要の減少や加齢、後継者不足と共に年々減少しておりますが、可能な限り質の良い物をご提供できるように心がけております。
神の水を汲み、人間国宝が漉く!
お客様にとって生涯にたった一冊の本物の手漉き和紙を。
日本最高峰の御朱印帳がここに。
2013年、20年に一度の式年遷宮により最注目された伊勢神宮には、日本国が宝と認めた重要無形文化財が数多く奉納されています。今回新たに販売を開始する御朱印帳に採用した手漉き和紙、土佐典具帖紙はまさにその国宝に認められており、現在も伊勢神宮や明治神宮などに納められている貴重、かつ希少な紙になります。
土佐典具帖紙の人間国宝である浜田幸雄氏、そして祖父の技を継承した浜田兄弟、この浜田家が生み出す重要無形文化財の土佐典具帖紙。今回は御朱印帳向けに特別に漉いた土佐典具帖紙を御朱印帳として商品化しております。日本の神々に捧げられた品質とその伝統をお客様のお手元にお届けいたします。
- 100%国産楮を神の水で漉く!現在では海外産(主にタイ、パラグアイ等)の楮(こうぞ)を使用した和紙も数多く市場に出回っていますが、こちらの商品では完全国産原料にこだわり、全国的にも評価が高い高知県吾北産の土佐楮を使用しています。パルプや不純物が一切混じっていない100%楮、そんな手漉き和紙を探し求め、多方面に打診と折衝を繰り返した結果、原料や製法ともに当社の地元高知の浜田和紙にたどり着きました。
超高品質な逸品
浜田和紙は高知県吾北産の土佐楮しか使わず、また紙漉きに入るまでの前段階である原料仕込みに一ヶ月以上もの時間を費やすその徹底した職人根性、製品へ妥協を許さない頑固さなど、当社の考える最高の手すき和紙御朱印帳を製作するパートナーとして、「ここしかない!」と惚れ込みました。我々がこだわる土佐楮は、海外産や廉価な楮に比べて油分が圧倒的に少なく、天然素材のトロロアオイとも抜群に相性が良いため長期保存の際でもシミになりにくい点、紙の繊維そのものが油を持たないためページの貼りつきもない点など、長い年月保存する御朱印帳の素材としてぴったりだと考えて今回採用しています。
また和紙を作るうえでもっとも大切な原料である水は、高知の神社内にある、まさにその名も「神谷」という場所から湧き出る水を使用しています。奇跡の川と言われる清流仁淀川を構成する山々の湧き水。まさに神の水と呼べるにふさわしい透明度と美しさを誇ります。
- 技術が光る!手漉き和紙の技術が認められ、平成13年に人間国宝、国の重要無形文化財に認定され、近年旭日小綬賞を受けた浜田幸雄氏。和紙会社としては日本でたった1社のみが選ばれており、浜田兄弟が祖父の技を継承した現在で創業170年を誇ります。
日本で1社だけの重要無形文化財認定
高品質な手漉き和紙は天候や材料の質にも左右されるため供給も非常に難しく、大量生産が難しい為、色よい返事をなかなかいただけませんでした。何度となく交渉を重ね、想いをぶつけ合った結果、1年近くの時間を費やしましたが御朱印帳専用の土佐典具帖紙(特厚)を製品化する事ができました。
- 完全国内生産!「溜め漉きvs流し漉き」とは?和紙の原料の混ざった水を1回だけすくって作ることを溜め漉きといいます。そこに技術はなく、誰でも作ることができる方法のため、外国産の手すき和紙や廉価な手漉きなどはこれになり、簡単かつ低コストの生産が出来るというメリットがあります。それに対し、土佐伝統の流し漉きはすくい上げた原料を縦、横、ななめと様々な方向に流しこみ、繊維をなめらかに拡散して作り上げますので、溜め漉きと違い様々な方向に繊維が絡まった頑丈でなめらかな紙が生まれます。
溜め漉きが1枚をつくるのに約10秒、流し漉きが2分ほどかかりますので、1枚あたりの作成におよそ12倍もの手間がかかった手漉き和紙となり、御朱印帳の本質を求めるお客様に是非使っていただきたい紙となります。
土佐和紙の父とも言われる吉井源太から受け継がれる道具の伝統、技術の継承という点から見ても、見た目だけ真似をしたような粗悪な手漉き和紙とは根本的に異なっているものです。日本の神社のみならず、ボストン美術館やシスティーナ礼拝堂等、海外でも高い評価と支持を受けている浜田和紙、今回やっと皆さまへお届けできる喜びに、弊社スタッフ一同も喜んでおります。
- 選べる喜び、伝統の和綴じ製本仕様を確定した商品とは一風変わった、「準BTO商品」として販売を致します。BTOとは、Build to Orderの略で、一般的には細かい仕様をお客様が御自分の意向に沿った形で選んで組み立てる事を言います。今回こちらの御朱印帳は、和綴じの綴じ方を様々な種類から選んで頂くことが可能になっており、四つ目綴じ、高貴綴じ、亀甲綴じ、麻の葉綴じ、他にも当社が今までの経験から作り上げた独創的な創作和綴じもお選びいただく事が可能ですので、通常ではお目にかかれない和綴じ製本を選んで頂く事が可能です。
御注文の際に、お好きな和綴じ方法を選択していただくことにより、お客様の御希望に限りなく近づけた一生ものの御朱印帳としてお届けします。