浮世絵図解入りの解説はこちらからダウンロードできます。「蔵通信」
時は幕末、狩野派の画家から贋作騒動を経て下野し、高知で芝居絵を書き続けた奇才絵師金蔵。神社に奉納された彼の23点の芝居絵の中から選りすぐりの4点が今回御朱印帳になりました。
同時代に葛飾北斎ら版画で多くの人々が買い求めた物と違って1点物である絵金の歌舞伎絵は高知で代々守り継がれてきました。漁師町でもある高知県赤岡では、海からの物の怪を寄せ付けぬための魔除けとしても名高い芝居絵です。
高知県赤岡の芝居絵屏風は高知県の保護有形文化財に指定されています。
本身は48ページ、サイズは12cm x 18cm。一般的な小型御朱印帳より一回り大きく、迫力ある御朱印が頂けます。2枚の紙を貼り合わせていますので、墨の裏移りがしにくい仕様になっています。
〇商品仕様
【サイズ】12cm x 18cm
【綴じ方法】蛇腹製本(2枚貼り合わせ、墨の裏移りがしにくい)
【本紙素材】白奉書紙
【ページ数】48ページ
【付属品】歌舞伎解説チラシ着き
※お客様の環境により色見には若干の誤差が出る場合があります、あらかじめご了承ください。
だてくらべおくにかぶきかさね
伊達競阿国劇場 累 あらすじ(絵金蔵 蔵通信14号より抜粋)
足利家お抱えの相撲取り絹川谷蔵は主人の放蕩を止めるため、その愛人、遊女高尾を殺す。その後谷蔵はたまたま逃げ込んだ高尾の兄豆腐屋三婦の家にかくまわれ、その妹累に想われて夫婦となり、故郷羽生村で与右衛門と名を変え百姓として暮らしている。累の顔は姉の祟りで醜くなるが、与右衛門は累に鏡を見ないと約束させたため本人は気づいていない。
与右衛門は主人の許婚歌方姫が博打うちの悪人・金五郎にとらえられ、花街に売られそうになっていることを知り、百両の金とひきかえに姫を引き取ることを約束する。金策に苦慮する夫を見た累は自分の身を売って金にかえようと女郎屋に話を持ちかけるが、そこで初めて自分の顔が醜く変わり果てたことを知る。絶望した累は自分を愛してくれた夫に申し訳が立たないと、自殺するため絹川に向かう。 同時に絹川に向かった与右衛門は金五郎に出会い、姫の正体を隠し自分の元妻であるからと言ってなんとか姫を救おうとする。しかしこれを隠れ聞いた累は与右衛門に騙されたのだと誤解し、姉高尾の怨霊によって二人に襲いかかったため与右衛門に斬り殺されてしまう。
その後与右衛門はもとの美しい顔にもどった累の首を斬り落し、歌方姫の身代わりとして代官所に届ける。